舶用機器の検査 （船舶安全法施行例）

船舶の航行の安全を確保するために、船体・機関・その他船舶に搭載する機器類の安全基準と、安全基準を確保するために必要な措置を定めた法律として、船舶安全法という法律があります。

海事代理士の方々なら、この法律は試験科目ですね。

重要な試験科目でもあり、重要な業務関連法規でもあります。

船舶安全法と施行規則には、定期検査・中間検査・臨時検査・特別検査・製造検査・予備検査・予備検査・準備検査といった各検査が規定されています。

その他、製造・改造修理・整備の各認定事業場、型式承認の規定もあります。

今回は、予備検査と製造認定事業場についてです。

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法の本文には、「予備検査」という言葉は使われていません。

しかし法第６条第３項に記載されている条文は、予備検査のことを述べています。

「船舶に設置・搭載する前でも、ここで定める検査に合格した機器類・装備品類は、設置・搭載後に改めて検査を受けなくてもいいよ」という規定です。

動作確認や材質チェックなどのとても面倒な検査を既に済ませてありますので、定期検査や中間検査の際に、かなりの手間や労力を省くことができます。

施行規則に、適用される機器類を挙げてあります。

左の画像は、私の乗船している船舶の主機関の警報盤です。

各部の温度や圧力を検出して、異常があれば警報を鳴らします。

銀色のプレートに、見えにくいですが『JG』と筆記体のような刻印と、○の中にアルファベットのOの刻印があります。

これが、予備検査に合格したことを証しているプレートです。

『JG』とは日本国政府つまり国土交通省が合格をしたことを認め、○とOは近畿運輸局の検査官が検査したことを示しています。

この画像は油水分離器のポンプ付のモーターです。

同様に、国土交通省の予備検査に合格しています。

検査官は○とアルファベットのMWなので、九州運輸局若松海事事務所であることを示しています。

JGマークの上にAが入っている○に近い刻印がありますが、これは法に規定される製造認定事業場で製造されたことを示しています。

製造認定事業場で製造された機器類は、搭載時・設置時に限り、予備検査を含む各検査の受検を免除されます。

モーター単体のみ製造認定事業場にて製造されたのですが、ポンプをつけたことによって「油水分離器」として予備検査の受検が必要となったのでしょう。

この画像は海水ポンプの駆動モーターの銘板です。

JGの刻印も、Aの入った○のような刻印もありません。

その代わりに、NKのマークがあります。

これは、（財）日本海事協会（以下、NKと称します）の認定する事業場で製造されたことを示しています。

NKは、現在国内で登録されている唯一の船級協会です。

国土交通省認定ではありませんが、法の規定に「船級協会の検査の合格を持って、国の検査に合格したものとみなす」とありますので、認定事業場と同等以上のものと見て支障ないでしょう。

この機器にも、ちょっと見にくいですが、黒字で「NK、BV、NV」と書かれています。

これも船級協会の認定を受けた事業場で製造された機器であることを示しています。

NKは前述した（財）日本海事協会です。

BVはフランスの船級協会である「ビューロー・ベリタス」です。

NVはノルウェーの船級協会である「デッド・ノルスケ・ベリタス」です。

いずれも、世界に名だたる船級ですので、この機器は『世界に通用する機械』となります。

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当事務所では、国土交通省の事業場認定申請や検査申請代行だけでなく、

（財）日本海事協会の事業場認定の申請手続代行も行います。

ご相談は松本海事代願事務所にどうぞ。

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