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2012年2月10日 (金)

海技士(機関)試験例題 その26

例題:

プレート式清水冷却器の利点を述べてください。

 

久々の例題です。

プレート式清水冷却器(通称:プレートクーラー)は、プレス加工によって規則的な凹凸が付いた数十枚の金属製の板を重ね、板と板の間はパッキンを咬ませて水密の隙間を設け、その隙間に液体を流して、冷却対象の流体を冷やすものです。

無論、冷やされる液体(エンジンの冷却清水など)と冷やす液体(海水、低温冷却清水など)は混じり合わないようにされています。

図示してもヤヤコシイのに、文章ではなかなか表現しづらいですから、この程度の表現しかできません。

ご了承ください。

かつては・・・といっても今でもかなり使用されていますが、チューブ式(多管式ともいう)が主流でした。

チューブ式冷却器は、円筒形の冷却器内部に銅管が通っており、銅管に海水を流し、その銅管の外側に冷却清水や冷媒ガスなどを流して冷却しています。

 

なぜチューブ式からプレート式になったのでしょうか?

プレート式のほうが、冷却の効率がよいからです。

ではどういった理由で高効率なのか・・・

考えてみてください。

これに加えて、『清水と海水の流れる方向が同じなのと反対であるのと、どちらが効率が良いか』も答えてもいいかもしれません。

 

メンテナンスの良さも移行の理由の1つになり得ます。

プレートクーラーは、板を1枚1枚はがしてパッキンもはずし、板の両面をナイロンタワシで磨きながら水洗いします。

汚れ具合次第では、メーカー指定の薬品をしようする場合もあります。

チューブ式は、冷却器の両端がフタのようにとることができますので両端または海水配管と接続した側のフタを外し、前述した銅管の中にブラシを一番奥まで突っ込み、2~3回ブラシを抜き差しすることで、銅管内の汚れを除去します。

この作業を一般的に『チューブ突き』と言います。

どちらがラクか・・・ということになります。

 

私の個人的なメンテナンスの感想ですが・・・

プレートクーラーの圧勝です。

板同士をうまく合わせ、パッキンもはさみ、水漏れが出ないように復旧させるので、神経は使いますが・・・

チューブ式は、チューブ突きが根気の要る作業なんです。

直径30cmくらいで長さ1mくらいの小型のチューブ式クーラーでも、銅管の穴は50個近く開いていますので、それら1つ1つの最奥まで2~3回ブラシを抜き差ししなければなりません。

慣れない頃は、手の皮がムケました。

軍手なんぞ役にたちません。

むしろ海水がしみ込んで、余計に作業しづらいです。

 

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