船舶機器・検査

2011年9月 6日 (火)

大物はコイツだ!

船舶には、様々なポンプが取り付けられています。

エンジンの冷却水ポンプ、飲み水用のポンプ、油圧機器作動用のポンプ等など・・・

多種多様です。

では、荷役用のポンプ以外で、ほとんどの船舶に共通して、設置されている最も大きいポンプは、どんなポンプでしょうか?

 

答えは、『GSポンプ』です。

『GS』とは『General Service』の略で、あえて訳すとすれば『多用途』となるでしょうか。

『消防兼ビルジポンプ』『ビルジバラストポンプ』等と言った表記がされていると思います。

このポンプには、船内の海水配管をたどっていくと、必ずたどり着きます。

用途としては、

・冷却用海水ポンプの予備機

・消火栓への送水

・緊急時、船底に溜まった水を抜く

・バラストタンク(船体姿勢を保つため水を入れるタンク)への注排水

・甲板上への送水

・海水清水を問わず、とにかく水を送る

などなど、文字通り『多用途』のポンプです。

特に「船底に溜まった水を抜く」とは、何らかの原因によって船内へと大量の海水が浸入している場合ですので、沈没を回避するために、大容量のポンプで、大量の水を汲みださなければなりません。

また「消火栓への送水」は、火災の際に消火のため使用することですので、これも大量の水を必要とします。

その他、錨を上げ下ろしする際に水が出ているのをご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、こういうGSポンプの使い方もあります。

 

船によってGSポンプの容量は変わってきます。

大きい船舶や、航行区域が遠洋・近海である場合などは、それに伴ってポンプも大きくなります。

しかし、それがどのような基準で、どのように数値を決定するのか・・・といった内容は、まだ知りません。

また海事六法を読み直してみます。

 

ブログランキング にほんブログ村

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年12月11日 (土)

海の幸も困り物

フランス料理に使われるシーフードの1つで「ムール貝」というものがあります。

この貝が日本国内で獲れるってこと、ご存知ですか?

「ムラサキイガイ」という黒い二枚貝がそうです。

元々はヨーロッパ付近に生息する貝であって、なんらかの原因によって日本近海に持ち込まれた外来種であるのです。

この貝はとても生命力&繁殖力が強いものであり、貝の蝶番付近から根の様なものを出し、どこにでも付着しています。

幼生のときから、どこにでも付着できるのでしょう。

おそらくは、ヨーロッパから渡来した船に付着していた貝が産卵し、そのまま居ついてしまったものだと、推測しています。

港や防波堤を見ていると、テトラポットや岸壁にびっしりと付着しているのをご覧になられた方も多いと思います。

 

さてこの貝、船体だけでなく海水の通るところは全て、付着すると思っても間違いありません。

実際に小型船舶では、船底の海水吸込み口付近にびっしりと付き、まともに海水を吸えなくなったという話も聞きます。

またムラサキイガイだけでなく、フジツボも同様です。

海水によって冷却清水を冷却しているクーラーの海水通路にフジツボが付いたために海水が通らなくなり、清水の冷却ができなくなります。

これらの貝類を取り除くため、クーラーの海水通路の掃除(「チューブ突き」と言います)をしたり、ドックに入渠したときに船体や海水吸入口を掃除します。

私も作業の一環で、冷凍機や空調機の冷媒を冷やすクーラーのチューブ突きをよくやりました。

とはいえこれらを頻繁にしなくてはいけないのは、かなり手間がかかります。

では付着しないようにすればいいのですが、そのような方法はあるのでしょうか?

 

「海洋生物付着防止装置」という機器があります。

これは船舶だけでなく、海水を使用している陸上の工場等にも使用されています。

文字通り、海洋生物つまり貝類の付着を防ぐ装置です。

この機器の動作原理は、大きく分けて2つあります。

 

1つは、薬液や薬剤の注入です。

海水配管や船底付の海水を吸入する弁(船底弁)の取り付け箇所(シーチェスト)に薬液注入配管が取り付けられており、装置で定められた時間ごとに定められた量を注入するというものです。

ストレーナ(ゴミ取り網)のケース内に、直径10cmくらいの薬剤を投入しておく物もあります。

これらの薬剤・薬液は、稚貝や幼生を駆除するための成分・分量が主です。

 

もう1つは、塩素と化合物による殺菌・駆除です。

+極と-極の電極を持つ機器類内部に海水を通します。

電極に電気を流し、海水を電気分解します。

すると、+極には塩素と酸素が発生し、-極には次亜塩素酸ナトリウムと水酸化マグネシウムが発生します。

次亜塩素酸ナトリウムは、+極で発生した塩素を元にして化合したものです。

このうち、次亜塩素酸ナトリウムと酸素と化合して残った塩素が、殺菌・駆除の力を持ちます。

塩素は生物にとっては有毒ですから、この残った塩素の量が多くなりすぎないよう、電極にかける電圧を調整します。

次亜塩素酸ナトリウムは、哺乳瓶やプールの消毒に使用する薬品でありますが、少量ならば生物にとって害は少ないです。

水酸化マグネシウムは「副産物」であり、これがスケール(水アカ)として-極に付着します。

付着量が多くなると電極が有効に働かなくなりますので、定期的に除去しなくてはなりません。

 

このようにして、船体や海水配管などの海水と触れる部分に貝が付着しないようにしています。

 

稚貝のときならばまだしも、親指くらいの大きさに成長した貝を除去するのは、非常に手間がかかります。

掃除のときに配管を外すと、貝が発する悪臭にまいってしまうんですよね。

また、配管内に貝がびっしりと付着していて、しかもその貝がピューと水を噴いているのを見ると、余計にまいってしまうんです。

「この貝で料理をすると・・・」などという考えは全く浮かばないくらい腹立たしい気持ちになるのは、私だけではないと思います。

 

ブログランキング にほんブログ村

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年10月28日 (木)

伝統のカラーリング

Cswpp_2

上の画像は、船舶に搭載している海水ポンプ です。

このポンプに限らず、主機関をはじめとする機器類の多数は、このような淡い緑がかった色に塗装されています。

いくつもの船舶の機関室を見てきましたが、ほとんどの機器類はこの色で塗装されています。

この色は、一般に『計器色』『機器色』と呼ばれています。

なぜ、このような色にされているのでしょうか?

 

実は、私もわかりません・・・

ただこの色は、機器類から何かが漏れ出た時にわかりやすいと思います。

実際に、潤滑油や燃料のように色が着いた液体だけでなく、透明な液体や白濁した液体も、案外確認しやすいです。

そういった理由もあるのかなぁ・・・と思っています。

どなたか、詳しい理由をご存知の方、教えてください。

 

とはいえ、他の色を塗られている場合もあります。

主機関を薄い水色で塗装している船も見たことがあります。

また、主機関と発電機関をオレンジ色で塗装している船舶も見ました。

まさに、『色々』ありますよね。

 

ブログランキング にほんブログ村

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年10月14日 (木)

身をすり減らして働きます

Znaf

この写真に写っているものは、積み重ねられた亜鉛の板です。

表面は腐食により、ボコボコになっています。

これらは船体の喫水線よりも下の水面下に取り付けられているもので、ボコボコに腐食していて当然のものです。

何のために亜鉛板を取り付けているのでしょうか。

 

船体や配管は鉄でできています。

船体は海水に浮かんでいます。

海水配管内は、文字通り、海水が通っています。

しかし、海水中に金属を入れると、すぐに錆びてしまいます。

船体周囲や配管が海水で満たされているとはいえ、そう簡単に腐食されては困ります。

鉄よりも先に亜鉛を腐食させることで、鉄の腐食を防ごうとしているのです。

このような目的で取り付ける亜鉛板や亜鉛棒などを『防食亜鉛』といいます。

 

海水中であっても酸の液体中であっても、それら液体中に金属を浸すと化学反応が始まり、腐食が始まります。

金属には固有の電位があり、電位は高い数値のものより、低いもののほうがイオン化しやすい・・・つまり腐食しやすい金属ということになります。

同じ液体中に電位に差がある金属を入れると、電位が低い金属が先に腐食して、電位の高い金属の腐食は進行しません。

この作用は、電池の原理の応用です。

ちなみに、液を補充するバッテリーの内部では、このような現象が起こっています。

 

鉄と亜鉛では、亜鉛のほうが電位が低いので、上記の理屈によると、亜鉛が先に腐食を始めます。

つまり、防食亜鉛の腐食が続いているうちは、鉄・・・船体や配管・・・は無事だということです。

Znbf_2

上の写真の灰色または白っぽく見える四角いものが、新品の防食亜鉛です。

船舶は、1年に1度は中間検査または定期検査のために上架しますので、そのときに船体付の亜鉛は交換します。

海水配管の途中に付けられている防食亜鉛もあります。

海水こし器や冷却器などに取り付けられています。

これらは比較的交換がしやすいので、1ヶ月ごとに点検して掃除し、2~3ヶ月ごとに交換というのが一般的かと思います。

上記に書きました電池の作用により腐食した亜鉛の表面には、亜鉛の化合物が付着しています。

白いかたまりですが、簡単にとれるものです。

これを除去するのです。

そうすることで亜鉛の表面を露出させ、腐食を促進させるのです。

 

亜鉛よりも電位の低い金属も、もちろんあります。

アルミニウムやマグネシウムが代表格です。

実際に、防食アルミも存在しています。

しかし『身をすり減らして働くもの』・・・つまり、完全な消耗品なので、価格が低くなければ、もったいないですよね。

亜鉛とアルミのどちらが安いのかはわかりませんが、主流は亜鉛にようです。

その他、純度も重要です。

不純物が多ければ、不純物と亜鉛との間で電池作用が発生してしまい、肝心な「船体の防食」に対して効き目が薄くなります。

 

ブログランキング にほんブログ村

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年10月 4日 (月)

最初は違和感。慣れればフツー・・・になるかな?

先日、国土交通省のWebサイトを見ていました。

やはり情報収集は大事ですからね。

見ていたら・・・ん?

それは今年の5月の記事でした。

 

かつて私のこのブログ内で、

『日本国内で唯一登録されている船級協会はNK(財団法人 日本海事協会)のみである』

と書きました。

しかし、先日見つけた記事には、

『2つ目の船級協会として、ロイド船級協会を登録しました』(要約文)

と書いてありました。

規制緩和の波が、船舶検査の分野においても押し寄せてきたようです。

 

・・・と書きましたが、ロイド船級協会(以下、LR)は、決してアヤシイ組織ではありません。

18世紀のイギリスにおいて、世界最古の船級協会として設立されました。

当時のイギリスは世界屈指の海運国家であり、アジアやアフリカと言った植民地との交易において、船舶は不可欠の存在です。

海運が保険とは不可欠の関係になったため、保険のエージェントからも船主からも信頼されるような機関によって船舶が審査されることが必要になったのです。

こういった設立背景があるので、LRはむしろ、世界中の船級協会のトップに君臨するような地位・影響力・発言力を持つ組織です。

つまりLRの船級を持つ船舶や機器は、世界的にも信頼される船舶・機器として認められた・・・とも言えるかもしれません。

 

日本国内の船級協会としてLRが認められたのですから、これからは日本船籍の外航船の満載喫水線に、LRの文字が入っているのを見かけることもあるかもしれません。

外航船だけでなく、内航船でもLRの船級を取る船舶も現れるのでしょうか・・・。

NKやJGに慣れ切った私にとっては、非常に斬新です。

そうなると、我々もLRに対応する場合も出てくる可能性もありますよね・・・。

・・・

情報収集の日々が始まりそうです。

 

ブログランキング にほんブログ村

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年6月 8日 (火)

セミナーに参加してきました

先日、尾道市で行われたセミナーに参加してきました。

財団法人 日本海事協会(以降NKと表記)が開催する、春季技術セミナーです。

これはNKのサイトを見ていて偶然見つけたものでした。

講演内容の題名を見て興味津々になりましたので、参加を決めました。

内容は・・・そのまま記載したらよくないかも・・・簡単に述べます。

  • 船舶搭載機器、関連機器類のNKが提案する研究技術例
  • 国際海事機関を中心とした船舶・船員をとりまく環境とその流れ

こんな感じとなります。

これを御覧になったNKの方、私の要約文例が貧弱で、もうしわけありません。

その中でも、とくに私が興味をひかれたキーワードが、

  • シップリサイクル条約、シップインベントリー
  • 海事労働条約
  • 温暖化ガス削減の取り組み

です。

 

シップインベントリーは、大雑把にいうと、中古船の売買や解撤・廃棄をするにあたって、船に使用している有害な材質・物質などを記載した書類のことです。

この書類を参考にして、船舶の全体や各部分のリサイクルを進めていこう・・・という流れを具体化するのが、シップリサイクル条約です。

(これで説明が合ってるのかなぁ・・・。勉強不足です・・・)

海事代理士として、シップインベントリーや海事労働条約は外せないと思います。

シップインベントリーをメインとしたリサイクルの流れが国際的な流れになりそうですし、海事労働条約も日本が批准したら、船員法へも多大なる影響が及ぼされそうだ・・・と考えています。

また、温暖化ガス削減の取り組みに直接関係してくるものはエンジンですので、機関士として、メカニズム的にも興味をソソリます。

 

これらのセミナー内容は、後日NKのサイトに掲載するとのことですので、興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか?

NKのサイトはこちらです ↓

http://www.classnk.or.jp/

 

にほんブログ村 国家試験

にほんブログ村 海事代理士

にほんブログ村 廿日市情報

 ↑ こちらのクリックもお願いします。

ランクアップにご協力をお願いします。

| | コメント (0)

2010年3月 8日 (月)

M0(エムゼロ)船に関する考察 その1

風邪も治ったようです。

体調ももどってきましたので再開します。

以前のブログにも記載したことがありますが、今回は『復刻&改訂版』です。

 

にほんブログ村 国家試験

にほんブログ村 海事代理士

にほんブログ村 廿日市情報

 ↑ こちらもクリックをお願いします。

 

『M0(エムゼロ)船』という言葉を、船舶に関係や興味のある方々は聞いたことがあると思います。

M0船とは通称で、正式には『機関区域無人化船』と表します。

この名称を名乗るためには、船舶職員及び小型船舶操縦者法に規定される『乗組み基準の特例』によって、機関部の常時当直の免除が認められる必要があります。

通常の船舶であれば、エンジンの出力と航行区域によって異なりますが、機関部は3~4人、つまり機関長・一・二等機関士及び三等機関士が法定職員として必要です。

しかし乗組み基準の特例が認められると、機関長及び一等機関士の二名で済むようにもなります。

この場合、常時当直の免除が可能とされています。

私もかつて、M0船に一等機関士として乗組んだこともあります。

では、M0船とはどんなものでしょうか。

 

機関区域を通常は無人にしておいても問題ないようにしなければならないので、これらについては細かい規定があります。

ここでいう『機関区域』とは、主機関と発電機関が一緒にある場所だけでなく、冷凍庫用の冷凍機がならぶ冷凍機室や、空調機や補助ボイラがある部屋のことも指します。

規定については、船舶機関規則にあります。

読んでる限りでは・・・

実は、ほとんどの船舶の機関区域は、この規定に限りなく近く造られているようです。

M0船に独特だなぁ・・・と思われるものは、

・発電機関や主機関の発停スイッチが船橋にある

・機関部職員の居室や食堂に警報装置が着いている

・・・でしょうか。

その他の、圧力や温度の自動制御の装置くらいなら、フツーについていますから。

 

では、この規定と似たようなものとして、船舶自動化設備特殊規則というものがありますが、これとの関連性はどうでしょうか。

確かに、この条文内容とよく似ている設備を整えている場合もありますが、無いものもありました。

・・・ということは、船舶自動化設備特殊規則という省令は、M0船に関する省令ではなく、どうやら近代化船に関する省令である・・・とも言えそうです。

 

じゃ、乗組員としてはどうなのか・・・

『当直が無いならラクなんじゃない?』

とかおっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが・・・

 

続きは、また後日 m(_ _)m

| | コメント (0)

2010年2月11日 (木)

船級に関する考察

船舶に関するお仕事をなさっている方、船舶に興味のある方、商船・水産系大学の学生の方、これらの方々なら『NK』という言葉を聞いたことがあると思います。

このブログにも前述していますが、NKとは『(財)日本海事協会』のことであって、今現在で日本唯一の船級協会です。

船級協会とは異なりますが、JG(日本国政府)も、船級の1種と考えてもよいかもしれません。

では、船級とはなんでしょうか・・・

 

にほんブログ村 海事代理士

にほんブログ村 国家試験

  ↑ こちらのクリックもお願いします。

 

船舶は複雑で大型の構造物であり、機器類など技術的にも高度な物となるので、1隻の建造でも、非常に高価なものになります。

高価な物なので、もしものために所有者は保険を掛けることになるでしょう。

しかし保険会社も商売なので、損をしないためには、技術的にも高い安全性を求めます。

船体に欠陥があると、穴があき、そこから漏水・進水して、そのまま沈没ということも考えられます。

機器の作動状態が不安定だと、エンストや停電が頻繁に起こり、まともに航行できなくなります。これはそのまま、漂流につながります。

そんな船舶の保険を、誰が引き受けるでしょうか。

また、保険が掛けられていない船舶で荷物を運んでもらうような物好きの荷主もいないはずです。

・・・ということは、その船舶が保険を掛けるに値するような安全性をもっていることを証明する必要があります。

保険を引き受ける側にもよらず、また所有者にも、造船サイドにもよらず、中立的な立場の者が、この証明にあたります。

この『中立的な立場の者』が、船級協会です。

 

船級協会は、その国の法律に準じた基準で検査を行って船舶の格付けを行い、これを公表することで、保険会社や荷主が船舶の安全の基準としています。

船舶自体以外にも、搭載機器類の検査も行います。これに関連して、製造事業場や整備事業場、型式承認の認定も行っています。

また、船舶だけでなく運用に関する安全に関する事項の国際的な基準(ISMコード)の認証に関わる検査も行っています。

 

前述しましたが、日本の船級協会は、(財)日本海事協会(以下、NK)のみです。

その他の国では、

  • ロイド船級協会 (LR) イギリス
  • ビューローベリタス (BV) フランス
  • アメリカンビューロー・オブ・シッピング (AB) アメリカ
  • ゲルマニッシュロイド (GL) ドイツ
  • デット ノルスケベリタス (NV) ノルウェー

これらとNKが、世界的にも高評価の船級協会です。

これらに認定された船舶・機器類ならば、世界的にも高い信頼性を得ているとも言えるでしょう。

しかし日本船舶については、旅客船と無線機器の検査については、NKだけでなく上記全ての船級協会の検査を認めていません。JGの検査のみです。

これは船舶安全法第8条に規定されています。

旅客船のように非常に多数の乗組員以外の人命の安全の保全については、様々な法令上の規定・運用を考慮すれば、原則として国が責任を持つために検査を行うべきだと思われます。

無線機器も人命の安全の保全に関連して、旅客船の場合と同様に考えられます。

 

最近では外航船だけでなく、日本国内の内航船でもNKの船級を持つことを要求する荷主が増えています。

タンカーなどの危険物運搬船では、船舶や運用に関する安全性の確認のために上記のISMコードの認証を受けていることが要求されていますから、NKによる検査と認証を必要としているようです。

ISMコードの認証はNKだけでなくJGも行っていますが、なぜNKにこだわるのか・・・

詳しいことはわかりませんが、国際的な知名度がJGよりNKのほうが上ですから、ネームバリューも理由の一つかもしれません。

| | コメント (0)

2010年1月26日 (火)

船舶機器の検査 その3

船舶安全法に規定される予備検査に関連する事項です。

主機関(メインエンジン。主機とも言います)は予備検査を受けることができます。

・・・ということは、検査を受けた機関には、刻印または刻印の入った銘板が取り付けられています。

しかし、主機付の機器でも、別の検査済み刻印がある場合があります。

 

にほんブログ村 海事代理士

にほんブログ村 国家試験

 ↑ こちらもクリックをお願いします。

 

Tursuc

これは、みなさんご存じの『過給機』です。

平たい言い方をすれば、『ターボ』です。

私が乗船している船舶の発電機関に装備されているものです。

まん中に見えるのが羽根車です。

10枚の羽がついており、反対側にも多数の羽がついた羽根車があります。

療法の羽根車は、軸でつながっています。

反対側の羽根車(タービンといいます)が排気ガスで回されることで、こちら側の10枚の羽根車(ブロアといいます)も回転します。

それによって、空気を強制的に吸い込み、エンジン内に無理矢理送り込みます。

過給機をつけることのメリットは今回はさておき・・・

実は過給機も、予備検査の対象物件です。

上の過給機にも、主機と異なる番号の刻印が刻まれています。

エンジンに附属してる機械なのに、なぜ検査では分けているのでしょう。

 

『ボルトオン』という言葉をご存じでしょうか?

自動車のエンジンチューンに興味のある方は、ご存じかもしれません。

エンジンとは別にターボを入手して、好みの出力・性状となるようにします。

これが『ボルトオン・ターボ』です。

船舶の主機も、似たようなところがあります。

主機関の取扱説明書を読んでいると、

『この機関には、以下に記す過給機が適合します』と書かれ、

その下には、様々なメーカー、様々な型式の過給機が列記されています。

・・・ということは、求める性能に応じた、好みの過給機を搭載できますので、

主機と過給機を組み合わせた市販品として販売するより、

別々に販売したほうが便利ということになります。

主機も1機で○千万~○億円の単位になりますし・・・

ならば、検査も別々に行った方が、便利ですよね。

 

ただ、上記の内容は、回転数が600rpm以下の中速~低速の機関によく見られます。

こういった機関は、エンジンの高さが2mを超えるような大型が多いです。

1000rpmを超えるような高速機関には、こういった傾向はほとんど見られません。

過給機と主機は完全に組み込まれた状態で販売されています。

しかし、過給機の予備検査は、別に行っています。

| | コメント (0)

2010年1月20日 (水)

舶用機器の検査 その2

今回はいきなり画像から参ります。

 

Lifjac 左の画像をご覧下さい。

見えにくかったら、申し訳ありません。

これは、小型船舶乗船者用のライフジャケットです。

「小型船舶・・・」と書かれている欄の上に、『桜・JGの記載・Kの中のN』の3つが書かれています。

これらについて挙げてみたいと思います。

 

にほんブログ村 海事代理士

にほんブログ村 国家試験

 ↑ これらのクリックもお願いします

 

まずは、桜のマークです。

これは、船舶安全法に規定される『型式承認』を受けた物件であることを示しています。

『型式承認』とは・・・

製造される同一型式の船用品について、そのプロトタイプに対して、製造前の材料の破壊検査や製造後の効力試験といった様々かつ詳細な検査を行い、これによって規程に適合したことを確認できたなら、船舶に搭載する際の検査は省略または現状確認程度とする・・・といった、検査の合理化を図る制度です。

型式承認は写真のライフジャケットのようなものだけでなく、消火器や小型船舶の船体、内燃機関、船外機など、現在ではかなり多種にわたっています。

型式承認に関しては、「船舶等型式承認規則」という省令をはじめ、かなり詳細な規程がが定められています。

また、型式承認試験の際には、国土交通省本省の検査官が、原則立ち会うようになっているようです。

やはり『検査の合理化』を求めるからには、非常に厳しい条件と、多種の提出書類を要求されます。

 

さて型式承認された物件ですが、そのままでは船舶に搭載できません。

搭載するためには、上記の『検査の省略または現状確認』のために、『検定』を受けなければなりません。

この『検定』に合格することで、ようやく、検査の省略が可能になります。

写真に「JG」の文字と「Kのような印」がありますが、これが検定を受けた機関を示しています。

この「JG」の文字は、日本小型船舶検査機構による検定であることを示しています。

またKの様な印にはNとMの文字も書かれています。

これは日本小型船舶検査機構の沼津支部が担当したということです。

『検定』を行うことができるのは、管海官庁または法に規定される『登録検定機関』でなければなりません。

登録検定機関は現在、日本小型船舶検査機構と、(財)日本船用品検定協会の2つのみです。

 

私が乗船している船で型式承認の物件をいろいろ捜していますが、今のところ、ライフジャケットと消火器くらいしか見つけていません。

まだまだありそうなんですがねぇ~・・・

 

当事務所でも、型式承認の手続代行を行いますので、よろしくお願いします。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧